隣のあの子はボブ

中3の恋の記録を綴っています。

熱は醒めない

私は去年の4月頃から乃木坂にハマっていた。

様々なものに手を出してはいたがどれも長くは続かずに広いが浅いものだった。

イベントや握手会などには行かなかったが、乃木坂のファンクラブや推しやメンバーのメール配信サービス、「乃木恋」というスマホアプリもやるほど私の人生の中でゲームの次に熱を注いだといっても過言ではないほどハマっていた。

しかし、ある出来事をきっかけにこの熱は冷めていった。

その出来事とは『恋』である。

私は同級生である隣の席のボブヘアの子に恋をした、そのときから私の乃木坂に対する熱は徐々に冷めはじめた。

私の人生の中で数少ないハマったものが、『恋』によって失われていったのだ。

それから私はその恋にハマり、寝る暇を惜しんでやっていたゲームの時間さえも少なくなっていた。

しかしその恋は突如、熱を失っていった。

私の嫉妬がそれを招いたのである。

関係は絶頂から最悪になり、私の恋は一端幕を閉じた。

心の支えであったものが無くなったことで何か拠り所を探していたとき、乃木坂のメール配信サービスが推しからの一通のメールを私に送った。

そのメールには推しの自撮り写真と共にお腹がすいたという趣旨の文が書いてあった。

このメールがもう一度私の消えかけていたアイドル熱を燃やした。

冬休みが終わり、学校へ登校すると私は私が恋をしたボブヘアの子とは一切喋らなくなった。

授業中でも話し、会話が弾みすぎて教師から注意を受けたことがあるほど良好だった関係は、乃木坂の熱が消えていったときのように無くなった。

それから約2週間後、ボブヘアの子が私に声をかけてきた。

その時した話は乃木坂の姉妹グループである欅坂46に関してだった。

彼女はまだ関係が良好だった頃私が話したアイドルの話を聞いてアイドルにハマったようだった。

この会話をきっかけに、前ほどではないが会話をするようになった。

そして今では彼女との関係は回復し、たまにアイドルの話もするようになった。

何かにハマるということは心の支えを得ることであり、それを失うと代わりになるものを探す。

しかし完全に失ったわけではなく、代わりとなったものが冷めるまで、どこか奥底にまた熱を燃やすためにしまってあるものなのだ。